特定保健指導
特定健康診査の健診結果に基づいて特定保健指導が必要な人を選びます。腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)を基準に血糖、脂質、血圧の2項目以上で基準値を上回れば「積極的支援」、1項目の場合は「動機付け支援」に階層化して保健指導を実施します。
特定保健指導の対象者には、積極的支援、動機付け支援とも6か月程度の生活習慣改善プログラム(食事と運動)に取り組んでいただきます。
- (1)委託専門機関
- 特定保健指導は被保険者、被扶養者とも外部の専門機関「全国訪問健康指導協会」に委託して実施します。同協会の保健師ら健康相談員が対象者の自宅あるいは職場を訪問して面談指導を行います。
- (2)指導の日時は相談可能
- 上記協会所属の健康相談員が各都道府県に配置されており、保健指導の対象者になると担当健康相談員から本人に直接連絡が入ります。ここで、保健指導を受ける日時を決めます。
- (3)集合契約の保健指導施設の利用
- 委託専門機関「全国訪問健康指導協会」以外の集合契約施設を利用する場合は、希望者に利用券(特定保健指導用)を当健康保険組合で発行します。ただし、健診と保健指導をセットで利用する場合に限ります。
※特定保健指導の費用はいずれも当健康保険組合で負担、個人負担はありません。
実施方法
特定保健指導は特定健診で健康を維持するために保健指導が必要と判断された人を対象に実施します。具体的には動機付け支援レベルと積極的支援レベルに階層化された人です。
特定保健指導が従来の保健指導と異なるのは、目に見える結果を求められていることです。何人が保健指導を受けたかだけではなく、何人が減量などの目標を達成したかが問われています。このため、大阪読売健康保険組合では保健指導専門機関の「全国訪問健康指導協会」に業務を委託しました。同協会所属の健康相談員(保健師・看護師・管理栄養士)が自宅あるいは職場を訪問し、健康診断の結果データを基に専門的な立場から相談や助言を行い、総合的な健康づくりに役立てようというものです。
訪問までの流れ
- (1)健康相談員(保健師・看護師・管理栄養士)をお知らせ
- 委託先の全国訪問健康指導協会と連絡をとり、地元の健康相談員を決定し、その氏名を書面で対象者にお知らせします。
- (2)健康相談員が電話で対象者と日程調整
- 訪問する健康相談員が対象者に事前に電話でご都合を伺い、ご都合のよい日に訪問します。
対象者基準
年齢 | 40歳~74歳 |
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男性 | 腹囲が85cm以上、もしくはBMI25以上であり、かつ、以下の3項目のうち1つ以上該当する人全員。 |
女性 | 腹囲が90cm以上、もしくはBMI25以上であり、かつ、以下の3項目のうち1つ以上該当する人全員。 |
1 血圧:最高血圧130mmHg以上、もしくは最低血圧85mmHg以上 2 脂質:空腹時中性脂肪150mg/dl以上(やむを得ない場合は随時中性脂肪175mg/dl以上)、もしくはHDLコレステロール40mg/dl未満 3 血糖:空腹時血糖(やむを得ない場合は随時血糖)100mg/dl以上、もしくはヘモグロビンA1c5.6%以上 ※高血圧等で服薬治療中の人は除く |
実施支援例
- 動機づけ支援レベル
- 積極的支援レベル(合計200ポイントのケース)
達成目標
- (1)2008年度対比で2017年度のメタボリックシンドロームの該当者・予備群を25%削減する。
- (2)特定健康診査実施率は2013年度の77.4%から2017年度に90%に引き上げる。
- (3)特定保健指導実施率は2013年度の45%から2017年度に60%に引き上げる。
Q&A
- どのような健診・保健指導ですか?
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「メタボリックシンドローム」という文字や言葉を新聞、テレビで見聞きしたことがあると思います。日本語では内臓脂肪症候群といいます。日本人の死因の1位はがんですが、2位の心臓病と3位の脳卒中はこのメタボリックシンドロームと関係しているのです。 心臓病や脳卒中で危険因子とされるのが肥満、高血圧、脂質異常(高脂血症)、糖尿病で、これら4つが重なると「死の四重奏」と呼ばれ、正常な人と比べ心臓病や脳卒中になる可能性が非常に高くなります。
メタボリックシンドロームはこの4つの危険因子と深く関係し、内臓脂肪がたまる度合いに応じて4つの危険因子に黄信号や赤信号がともります。逆に内臓脂肪が減れば、危険因子もそれぞれ改善され青信号に変わっていくのです。
今回はメタボリックシンドロームに的を絞った健康診査をまず実施し、保健指導が必要な人を選びます。検査結果から黄信号や赤信号がともっている人を拾い上げるのです。その人たちを対象に徹底した保健指導を行って、心臓病や脳卒中の発病を抑えるのが目的なのです。病気になってから治療するのではなく、その前にしっかりした予防対策を講じて、病気にならないようにするのが狙いなのです。 - なぜ今、特定健診・保健指導を実施するのですか?
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心臓病と脳卒中を合わせると死因全体の約30%を占めており、その比率はがんに匹敵します。心臓病と脳卒中を予防することでわが国の医療費の増大を少しでも抑制していこうというのが政府の考えです。
少子高齢化の中で社会保障費がどんどん増えています。なかでも医療費はうなぎのぼりです。政府の試算では平成18年度の予算ベースで28.5兆円の医療費が20年後には56兆円とほぼ倍増します。増えた分は税金で賄うか保険料または自己負担分の引き上げしかありません。いずれにしても、その負担は国民が背負うことになります。その負担を少しでも少なくするために医療制度改革が実施に移され、その大きな柱の一つが特定健診・保健指導なのです。
長期入院高齢者の病床転換よる平均入院日数の短縮などとあわせ医療制度改革全体で国は20年後の医療費を8兆円抑制する方針です。